東京女子流 山邊未夢が辿り着いた葛藤の先の進化

5人組ダンス&ボーカルユニット・東京女子流。彼女たちが年末に放つバラードナンバー『Say long goodbye』で見せる世界観は、アイドルの範疇にとどまらない、普遍の美しさを携えている。

常に新しい扉を開き続ける彼女たちの新たに到達した高みと、2014年を振り返りながら、高校生活最後の年を迎えた最年長メンバー・山邊未夢に自然体の姿で語ってもらった。


20141209-dsc04572.jpg【クリックで大きな画像】


―12月10日に新曲『Say long goodbye』が発売されます。山邊さんとしてはどこが聴きどころです?


山邊未夢

一言で言うなら、女子流の大冒険作です。本格的なバラード、しかも初めて5人でハモリに挑戦したりと女子流にとって初めてづくしの曲なんです。最初はファンの方も心配されたと思いますが、女子流が始まって約5年、今の女子流の持ってる全てを出せたんじゃないかなと思うんです。


―ダンスも従来の激しさから一転、ほぼ身振り手振りで構成されてます。


山邊未夢

振付の先生から「ただ立って歌うんじゃなくて、ちゃんと感情を表に出さないと世界観は伝わらないよ」と言われたんです。なので、心の奥にあるものを伝えるために、表現するための方法を先生と一緒に練習しましたし、この前の赤坂BLITZでの映像を観て、まだまだ出し切れてない部分を確認したので、今後のライヴでの魅せ方に活かすようにしました。まだまだ進化している最中なんです。


―山邊さんが『Say long goodbye』で伝えたいことってなんでしょう?


山邊未夢

歌詞が「別れ」をテーマにしてるので、寂しさや悲しさがあって、でも前向きな心を歌っているんです。自分のパートに「冷めた紅茶と私残して」という歌詞があって、「冷めた紅茶」の個所はすごく寂しさを際立たせるような落ち着いた感じを出して、「私残して」では、もっと寂しいだけじゃなくて感情的な部分がこめられた言葉なので、力強く…お腹から声を出すような意識で歌っています。ライブで披露する時は感情的な部分を身体でも表現しないといけないので、全身を使った動きで大きな世界観を出せるように意識してます。私の中の『Say long goodbye』とみんなの捉え方は個人個人で違うと思うので、その時の一人一人がどういう気持ちで伝えようとしているのかも併せて、聴いてもらえたら楽しみが広がると思います。しかもライヴでは…少しアレンジして歌ってるんです。サビに入るギリギリまでヴィブラートしているので、そこも比較して聴いてもらいたいです。私なりのライヴバージョンです!


―カップリングは『ヒマワリと星屑』の英語verです。


山邊未夢

今年の7月にサンフランシスコでライヴをすることになって、そのタイミングで新しくMVを撮ったんです。それに、最近の女子流はありがたいことに、海外でのライヴが増えてきたので、なら、私たちを海外の人にもっと知ってもらおう!ということでカップリングとして入りました。


―今年1月の香港公演を足掛かりに、6月に台湾、7月にアメリカ、9、10月にタイと今年は女子流の本格的な海外進出元年になりましたね。


山邊未夢

デビュー当時からのテーマだった、「アジア進出」がこの1年で大きく動き出したなぁと自分たちでも思います。でも肝心の私たちが英語を…あんまり喋れないのがダメですね(笑)。もっと世界に向けてとなると英語も勉強しないといけないし、アジアに行くとなると中国語も覚えなきゃいけないし…。と考えているので、もっと語学の勉強をすれば個人としても、女子流としても役立つ日がくると思うんです。だから高校卒業後は語学系の学校に行きたいな、と考えてます。そこで中国語を選択しようかなぁなんて。今まで女子流でも学校生活でも、日々楽しく過ごせたらいいなと、少しぼんやりした生活を送ってたんです。でも、今年は女子流の環境が目まぐるしく変わっていく中、私も語学というやりたいことが明確になってきたんです。あと、一番大きいのはMCで喋れるようになったことですけど(笑)。


―それは大きいですね(笑)。女子流は話が苦手なイメージがありましたので。


山邊未夢

メンバーや友達とは普通に喋れるんですけど、ステージに立つと緊張しちゃうし、どうしたら全員に楽しんでもらえるんだろう…と考えていたら、なんか黙っちゃう時間が多くて。でもステージと私生活、何が違うんだろう?と考えたら、普段友達と話す私は、何も意識せず自然体でバーッと話しているんです。そう考えたら、自然体の私でステージに立つのが一番なんだなぁとようやく気付いて、そこからは私も誰かに向けてと意識せず、無理に敬語とか使わない方がうまく喋れるようになったんです。昔はみんな間の取り方が被りすぎてグダグダになっちゃったり…昔は台本が用意されて、そこから脱線しないようにだけ意識して話してたのに、かなり成長しましたね(笑)。


―喋りでキャラクターを意識したりしてます?


山邊未夢

最近「おもしろくなってきた」とは言われるんですけど、(中江)友梨の頭の回転の速さにはどうしても負けるからなぁ。私は喋りよりも、もっと歌にダンスにと頑張る!そんなスタンスがいいと思うんです。スキルを上げて、ライブパフォーマンスがすごい!と言ってもらえるような、そんな子でいたいです。あと、目指すのは“親しみのある子”ですね。昔は、本当に色々なことを隠してましたからね(笑)。


―確かに不思議なイメージを最初は醸し出してましたよね


山邊未夢

ファンの皆さんに自分の素を知られるのが嫌だったんです(笑)。学校生活とかも知られるのが嫌で、ブログに体育祭のことを書いたらファンの方は「体育祭お疲れ様!」と言ってくれるじゃないですか。でも私は「いやっ!体育祭なんてなかったんだけど…」みたいな反応してました。ブログに思いっきり書いてあるのに(笑)。


―なぜウソつく必要があるんですか(笑)。


山邊未夢

特に理由はないんです。今思い出しても何で苦しい言い訳してまで隠そうとしてたのか全く分からず…。もちろん、今はオープンにしてますよ!うん、やっぱり自然体の方がいいですからね。自分としても今の素を出した私の方がやりやすいんです。喋りたいんだけど、前に出にくい、ということが昔は結構あったんですけど、最近は全くそんなことなく自分のタイミングで話せるようになったりと、何をしても楽しくできてるんです。それに素の笑顔が自然とこぼれるようにもなったと思うんです。本当の私でいいんだ、という気持ちです。


―抑えていたものを取り払った結果、素の自分が良かったという感じですね。


山邊未夢

以前、島田修平さんに手相を占ってもらった時「2014年は開花の年」と言われたんです。何か気がかりなことがあっても、気にせず前に進んだ方が良いと言われたので、全く気にせず自分らしくいたら、自分の中でも自信がついてきて、自信をつけることが自分を成長させる一番大切なことだということを知りました。最初は自分の気持ちから入ったんです。躓きそうになっても「私はやれる!できる気しかしない!」と口に出すことで、気持ちがスッと大きくなれたんです。そうなるとステージでの私ももっと出せるようになってきました。


―今年は山邊さんはソロでの活動場面が増えました。歌唱に関しては、昨年のMaltine Recordとのコラボから始まり今年はDo As Infinite『Raven』のカヴァー、オリジナルソロ『Share Hearts』と広がりを見せました。


山邊未夢

最初、ソロと聞いて不安だらけでした。Maltineさんの時なんか不安が8割(笑)。でも最近は歌うことが楽しいんです。私の歌を聞いてくださる方がいるということがありがたいですし、何より幸せですから。


―明らかに声質が変わった印象です。


山邊未夢

声量がなかったので、去年まではとりあえず声を出さなきゃ!と、いつも肩張って大声で歌うことだけを意識してたんですが、今年からディレクターさんが変わって、色々と私の歌い方についてアドバイスをしてくださったんです。そこからは自分の中で声が軽く出るようになりました。


―去年までは肩にも声にも力が入りすぎてたんですね。


山邊未夢

めっちゃ入ってました!リーダーという立場上、ずっと「頑張らなくちゃ」って気持ちで活動してきて、2013年の全国ツアーで完全に壊れかけてしまって。初日の公演があんまりな出来で、終演後スタッフさんや先生に色々指摘され「このままじゃダメだ!」と余計に固くなっちゃって、公演が進むたびに肩に力が入って…先に進むたびに悪くなっていったんです。でも今のマネージャーさんが来てからは、私たちの話をたくさん聞いてくれるんです。それからは一人で悩まなくても大丈夫になりましたし、女子流みんなもすごくにこやかになったし、何よりスタッフさんや周りの方々も笑顔になって。少し前まではピリピリしてたんですよ。だから今年は最高に楽しいです!今までだったらライヴ終わりも静かに拍手して終わりだったんですけど、最近は「お疲れ様~!イエェーイッ!」てノリです。スタッフさんから「今日、最高だったよ!」と言ってもらえるのがスゴくうれしいです。だから今年は楽しいことだらけ。大変だったなぁ~と思うのは野外の時の暑さだけかな(笑)。


―今年はリーダーという役目を離れ、スキルアップに専念するということが大きなものを与えてくれましたね。


山邊未夢

今年のライヴは、メンバーの勢いと、スタッフさんとファンの方の支えがあるおかげですごくお褒めの言葉をもらえるようになったんです。私も重荷が降りてからは、素の私がどんどん出せるようになれて!だから、色々なことを吸収もできるようになったのかな。今年の4thツアーを去年のリベンジとして乗り越えることができたことが大きかったです。


―だからこそ、ツアーファイナルとなった今年6月に開催された野音ワンマンは大きかったと思います。


山邊未夢

今回映像化された野音はキラキラしていて、歌とダンスで伝えるという気持ちが伝わってきて、全員で観終わった後思わず拍手しちゃいました(笑)。それくらい楽しさを伝えることができたし、3rdで果たすことが出来なかったものを倍にして野音ではやり切れたと思います。自分で言うのも恥ずかしいですけど、感動しちゃいました。


―その勢いのまま7月から赤坂BLITZで「TGS Discography」「HARDBOILED NIGHT」という昼夜に渡って新たな挑戦を行ってます。


山邊未夢

「TGS Discography」はアルバムを1stから再現するライヴで、普段やらない曲を披露する機会なのですごくファンの方としても珍しい時間になってると思います。「HARDBOILED NIGHT」は映像とライヴを交差させた、今までに見たことないライヴになっているので、女子流としてすごくいい試みになってます。それに毎回これからの女子流が目指していきたいジャンルの新曲を披露しているので、私たちにとってすごく刺激的な時間になってるんです。


―新曲は歌詞から曲調までテイストがガラリと変わってますね。


山邊未夢

私、新曲は全部大好きなんです。特に『GAME』『Say long goodbye』が。私はミディアムテンポの楽曲が好きで、その中にクールさや力強さを感じるんです。こんなカッコイイ曲を女子流で披露できることが幸せです。プロデューサーの松井(寛)さんのお力があってですよ。松井さんにはデビュー時からステキな曲を書いてもらっているので、感謝しかない!しかも次の新曲も今までにない出来なんです。それも楽しみにしてもらいたいです。


―これだけ成長した今年。来年の女子流、そして10代最後の山邊未夢が迎える2015年はどうありたいですか。


山邊未夢

えっ、10代最後!?ヤバい、まだまだ2年あると思ってた…(笑)。19歳の私は今年よりも上を目指していきたいです。目指すはBoAさんのようなカッコよさの中に可愛さを持ったプロフェッショナルなアーティストさんです!もっとスキルを高めていきたいですし、“脱カワイイ”を目指したいです。


―BoAさんには近づけてますか?


山邊未夢

全然!まだ「10BoA」さんぐらいです、100には遠い(笑)。やっぱりスキルが凄すぎるんですよ。あれだけ歌って踊れる方って世界にもそこまでいないと思うんです。女子流も世界を目指すなら、その数限られた中に飛び込まないといけないので、目指すなら完璧に。


―他のメンバーも“脱カワイイ”を目指しているのですか?


山邊未夢

そうだと思います。メンバー全員がデビュー当時から心の中にいつもダンス&ボーカルグループ、という意識を持っているんです。でもスタート直後は年齢も幼かったし、経験も浅かったので、どんなに私たちがダンス&ボーカルグループと言っても、説得力はないじゃないですか。


―「アイドル」と呼ばれることに抵抗はありました?


山邊未夢

ファンの方の中でもアイドル、ダンス&ボーカルグループ、どっちで呼ぶか分かれていたので、自由に見ていただけたらと思っていたんです。でも時間が経ち全員が高校生になり、スタッフさんの意識と私たちの意識がちょうどかみ合ったので、ならばようやく当初目指したものに向かって走らないといけないと思って。まだ可愛らしさが先行してると思うので、来年こそはダンス&ボーカルグループと呼んでいただけるようにならないといけないと思うんです。


―そのためには何が一番必要でしょう?


山邊未夢

精神的にも成長しないといけないので、最近は意見をどんどん言うようにしてます。自分の意識や意見を歌やダンスにこめて、初めてプロと言えると思うんです。最近はセットリストを考えたり、フォーメーションに関しても次への流れに綺麗に入れるようにしようと、提案して積極的に私たちなりのライヴ作りを頑張ってるんです。今年12月20日に開催する渋谷公会堂でのワンマン、昼公演は私たちが考えたセットリスト、衣装、グッズでやりませんかと提案して1歩1歩アーティストへの道を自分たちで作っている最中なんです。自分たちがすごく楽しめる環境の中で、最高にライヴを楽しんでいるからこそ、それを見たファンの方にも私たちの楽しさが伝わっているんじゃないかなとも思うんです。今の勢いを失わず、女子流がこれからもっと上へ行けるような、そんな毎日を過ごしていきたいです。


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