「アニタメ温故知新!」有名劇伴作家が秘話披露

毎月第二水曜日21時より放送中、「宮路一昭、川村万梨阿のアニタメ温故知新!」。

「アニタメ・ニュース」のコーナーでは、2月27日と3月13日には、宮路一昭もメンバーとして参加中With Daddyのライブが大塚ウェルカムバックで開催。3月13日には、声優の相馬優と杉山由恵もゲストで参加する。


辰己出版の出版物を紹介する「今月のおすすめの1冊」のコーナーでは、2月より新たに刊行し始めた、新ライトレーベル「T-LINEノベルス」から3作品を紹介。この日、宮路一昭は、白石涼子が主題歌を担当の心理サスペンス物「D-Gravity」を。川村万梨阿は、主題歌をsortiegeが担当の大正時代を舞台にした魔法少女物「大正月光綺憚 魔術少女あやね」を。鎌田美沙紀は、イメージソングを野島健児さんが担当の勇者物「実存系ドグマストラ」を紹介。


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通算11回目となった2月11日(水)の放送。ゲストには、劇場版の「ポケモン」や「クレヨンしんちゃん」シリーズの劇伴作家としても有名な作編曲家の多田彰文が登場した。


多田彰文は弦楽器のみならず管楽器までみずからプレイする、自称" 楽器ヲタク"な音楽家。川村万梨阿いわく、「頭の中でオーケストラが鳴っている方」。その表現は的を得ている。


宮路一昭と多田彰文は同じ年の同期生。多田彰文は、「天地無用! GXP」「東京アンダーグラウンド」「桃華月憚」「サムライガン」「クロスファイトビーダマン」などのアニメ作品の劇伴を手がけてきた。


宮路は「ニャニがニャンだー ニャンダーかめん」「桃太郎電鉄&伝説シリーズ」「人生ゲームシリーズ」や「キャプテン翼J」の主題歌や浜崎あゆみの『Endless Sorrow』のリミックスなどを手がけた。


多田は平成版「キャプテン翼」の劇伴を担当と、時代は違えど、同じ作品で繋がりを持った関係。劇場版「クレヨンしんちゃん~超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」には、川村も出演しており、意外なところでの接点も判明。同作品で川村が演じたのは、カエルのキンキンケロンパのケロンパ役。


「クレヨンしんちゃん」トークでは、物語中に下ネタも登場することから、PTAから「見ちゃいけない作品」の烙印を押され、いろいろ苦労した話が登場。何時しかトークは、「子供は下世話な話やう○ち話が大好きだから」という話にまで発展。


多田は「Go!プリンセスプリキュア」のエンディングテーマ『ドリーミング☆プリンセスプリキュア』の編曲を担当。この作品では、得意の「一人ブラス隊」として録音を実施。多田は『ドリーミング☆プリンセスプリキュア』を編曲するに際し、過去の楽曲をすべてチェック。「これまでのファンが納得する要素を持ちながらも新しい魅力」をこの楽曲に詰め込んだそうです。しかも今回は、生バンドで演奏。そこも、多田のこだわりの一つだ。


多田はシンセサイザープレイヤーとして音楽家活動をスタート。辛島美登里のツアー時に、まわりが40代のプレイヤーばかりの中、20代の最年少バントマスターを担当した話も登場。


まだ経験も浅かった多田は、当時先輩らに「飛行機に乗るときはスリッパを履くんだよ」「飛行機の中の珈琲は100円だから」といじられてたことも話してくれた。


早い時期からバンドマスターを任されていたのも、中学時代から作曲家/編曲家として勉強し続けてきたことの成果。多田も宮路も映画音楽好きなように、作曲家/編曲家として成功を手にする人たちは、音楽に興味を持った頃からその辺に視点が向いてたことも、話を聴きながら実感。


多田は3月25日に発売する茅原実里のセルフカバー・シンフォニックアルバム『Reincarnation』の全編曲と音楽プロデュースを担当。


編曲話の流れの中、多田は「劇場版「クレヨンしんちゃん」では1日60曲を録ったこともある。中には、8秒などの短い分数も入れてですが」という話も語ってくれた。


ちなみに、一番長い劇伴の分数は「劇場版『涼宮ハルヒの消失』で手がけた9分台」とのこと。


宮路も、昨年のみで560曲を作曲プロデュース。「中には、8秒や5秒などの短い尺も入れてだけどね」と語っていましたが、それでも編曲家の方々のパワーには敬服するばかりだ。 次回の放送は、3月11日(水)の21時から。誰がゲストで登場するのか、お楽しみに。


――劇伴制作の裏側を覗けた会話、とても勉強になりました。


宮路

そういうことを語れる方を、この番組では厳選してお呼びしていますから。


多田

話をさせていただいてすごく楽しかったです。今日は、みなさんとレアーな話をいろいろさせていただけましたが、まだまだいっぱい話したいことがあったので、それはまた次に呼んでいただけたらなら話したいです。


宮路

この番組、何度でも呼べますからね。今回は、作曲家/編曲家という同じ業種の方の出演だったので、いろんなマニアックな話も出てきましたけど。じつは、万梨阿さんともご縁のある関係ですからね。


多田

そうなんですよ。我々からすると声優さんの現場はなかなかお邪魔する機会がないので。


川村

私たちがアフレコをしているときにレコーディングをなさってたりもするように、制作は、いろんな作業が同時進行で進んでいますからね。それもあって,打ち上げの場とか、そういうところでないと、なかなかお会いする機会がないんです。


多田

ただ、打ち上げもすごい人数で行うから、会っても軽い話くらいになってしまいますからね。


川村

「クレヨンしんちゃん」など大きなタイトルほど、打ち上げに参加すちる人数だけでもハンパないんですよ。会場も向こう側が見えないくらいの広さだから、ご挨拶するのが精一杯。だからこそ、こうやってお話をする機会を得られたのはすごく嬉しいことでした。


鎌田

今回「プリキュア」のお話をされてたときに、「過去の楽曲を全部聞いた」というお話を聞いてて、「どの世界も温故知新なんだなぁ」って思いましたね。古きを知り新しきを出していく。「あーこれこそ温故知新だー」と思って。


多田

「プリキュア」シリーズで15年。「クレヨンしんちゃん」シリーズで25年。「ポケモン」で20年近いんですよね。長く続くのも、理由があるから続くんですよね。(PHOTO:河内香奈子 TEXT:長澤智典)




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