w-inds.の進化と「世界挑戦への想い」

常に進化を続けるw-inds.が2015年6月10日に新曲『In Love With The Music』を発売。歌、ダンスともに世界に通じるパフォーマンスまで成長した3人に話を聞いた。

20150618-dsc01710.jpg 【クリックで大きな画像】

-ジャケットが幻想的な格好いい仕上がりです。

緒方龍一
残像拳みたいな(笑)。

-ドラゴンボールのですね。こういう形でやってみようという流れがあったんですか?

緒方龍一
デザイナーさんからラフ案を何パターンかいただいたなかで、僕たちがこういう方向性で行きたいというのをお伝えしてこのジャケットに決まりました。

橘慶太
前作『FANTASY』のジャケットが凄くパキッとしていて、照明も凄くライティングもゴージャスで明るいイメージだったんです。今回は世界観の統一というか、『In Love With The Music』MVの撮影と兼ねてジャケットも一緒に撮影しました。MVのシーンの中でも3人がそれぞれのライトに照らされて踊るシーンを撮って、統一感のある色味にしました。

-これってスローシャッターで動いたんですか?

緒方龍一
フラッシュを炊いた後に、3秒くらいの中で、フラッシュと自然なライティングの中、2つの動きをやってみました。

-この残像は何パターンか撮ったんですか?

緒方龍一
基本的には3ショットのやつ意外はソロショットを合成していますね。

-それぞれが動いた感じですね。

緒方龍一
もう好きに。特に指定も無く、それを偶然組み合わせた感じですね。

-『In Love With The Music』はソウルファンク的なアプローチです。

橘慶太
ネオ・ソウルファンクといった感じですね。昔っぽくなりすぎると古臭い感じになってしまうんで。やっぱりw-inds.は常にモダンな感じを大事にしながら常に新しく、現行のファンクなつもりで作りました。

-ファンクの新しい形。

橘慶太
そうですね。やっぱり音楽も時代で巡っていきますけど、巡る中でも新しい要素が加わってることが大事だなと思って。

-世界的にもソウルファンクをベースにしたものが流行ってます。

橘慶太
ダフト・パンクの『Get Lucky』くらいから、みんなやってますね。

-J-POPだとその流れがまだきていないように感じます。

橘慶太
僕らはアジアにもよく行かせて頂くので、日本だけのマーケットというよりは世界のマーケットを考えている。別に僕達が早いというつもりもないですが、今世界で一番メインストリームにいるジャンルをw-inds.らしく表現するっていうのがこれまでの流れでしょうか。

-それでいて、日本的なエッセンスがあって聴きやすい。

橘慶太
w-inds.が歌えば日本語が乗り、僕達の声が乗ればJ-POPというか、日本のマーケットでも全然聴いてもらえるような仕上がりには必然的になりますね。

-他の2曲はループサウンドというかヒップホップ、しかもミドルスクール的です。

橘慶太
『FANTASY』もループでしたし、意外と最近は多いかな?

千葉涼平
いままでは、「これぞループトラックのヒップホップ」というよりは、どちらかと言うとポップス寄りのものが多かったかもしれないですね。

-音もローファイでカッコイイですね。

橘慶太
そうですね。そこは敢えてというか『Ring Off The Hook』なんかは全然ローファイじゃなくてクリアに出来ていたんですが、結局は歌詞と歌の世界観を出すためにマスターでコンプを加えて敢えて潰したりして。こういう歌物でトラックが歪んでる楽曲って日本にないなって思ってやってみました。

緒方龍一
今回、作詞家さんにお願いした雰囲気が今までにない世界観の雰囲気が出ていて。アルバムのレコーディングと同時進行でシングルのレコーディングをしていたんですが、その中からこの『Ring Off The Hook』がカップリングに選ばれたんですよ。今まで「恋」に近い恋愛を歌ってたんですが、今回、慶太が歌うこの歌詞の表現が僕は凄く大好きで、ラブストーリーを歌っているんじゃなくて、彼の人生を投影しているかのような気持ちになるというか。そういうのをみんなに少しでも感じてもらえたらより面白いし、嬉しいなと思います。

千葉涼平
サビ前とか胸熱ですからね。もうサビ前は…。

橘慶太
2回言うたな(笑)。

-w-inds.のパフォーマンス、音楽性を含め日本の最高峰にいると思うんですけれど、J-POPを引っ張っていきたい気持ちはあるんですか?

橘慶太
心のどこかで「こういう音楽」が増えたら嬉しいなっていうのはありますね。他の人と音楽作りたいって思ったりもするんですが、一緒にやりたいと思える人が結構少ないんです。もっと同じ思考の人がどんどんメジャーに出てきてくれると楽しいなとはいつも思います。でも一番は自分たちが格好いいもの。本当に自分たちが表現したいものを表現することが自分たちの音楽の醍醐味であり、大切な部分だと思うので、それを大事にしてます。

-w-inds..が向いてる先って、アジアや世界がメインになっていくのでしょうか?

橘慶太
世界を含めて、どこに居ても僕達の音楽が聴けるっていうことを一番意識してますね。そこでJ-POPだけ違うよね?みたいな話になると寂しいですね。取り残された感は嫌だなってずっと思ってたんで、J-POPらしく世界のメインストリームに音楽を発信できるような環境に居たいなって思ってます。変な話かもしれないんですが、世界で日本のマーケットが大きすぎて、J-POPは世界に出なくても食べて行ける。そんな状態が続いて、世界に出る必要がない。でも、1人の音楽家/パフォーマーとして、どれだけの人々を楽しませることができるのかなって、いつも考えていて…やっぱり日本だけじゃなく、音楽で言葉の通じない世界の人たちにどれだけ伝えられるのかなっていうのが自分の音楽への愛情だったり表現の仕方なので。それを基本は意識してるんですよね。だから、どうしても海外でやりたいって気持ちが強いわけでもないのかな?って、自分でも謎な部分ではあるんですけど。でも、多くの言葉の通じない人たちに届けられる音楽ってなんなんだろう、っていつも考えながら自分たちのパフォーマンスだったりレコーディングをやってます。結局どこの国でも歌詞が大事だったりする中で、僕らの作ってる音楽はメロディーのノリ方とかをかなり気にしますし。それは歌詞が分からない人でも聞こえるような日本語っていう意識で作ってたりもします。

-w-inds.と言えばアルバムコンセプトがしっかりと作られている印象ですが。今は次のアルバムに向けて世界観を作り上げている段階なんですか?

橘慶太
ほぼアルバムはできてるんですけど…この『In Love With the Music』がアルバムを物語るような世界観になってますね。カップリングナンバーも含めなんですけど。

-慶太さんのTwitterで「これを聴いたらw-inds.に入りたくなると思います」ってつぶやいてましたね。

橘慶太
(笑)。龍一君のバンドメンバーに!

緒方龍一
なんですかそれは!僕は知らないんですけど!

橘慶太
なんかベース全曲弾きたいですって。

緒方龍一
あー!一度うちで聴かせたんですよ、デモを。それで彼が感銘を受けて。

橘慶太
その時はまだ全曲できてなかったんで、全曲聴いたら弾きたいどころか、w-inds.に入りたくなるぞ!という意味です(笑)。

緒方龍一
嫉妬するね。僕が音楽をやる上での目標は「人に嫉妬されたら勝ち」なんで、そういう意味ではw-inds.に入りたいと思わせるのは1つの栄光だと思いますけどね。

-究極ですよね、入りたくなるっていうのは。

緒方龍一
僕もできればビートルズに入りたかったな…。

-壮大ですね(笑)

緒方龍一
(笑)。

橘慶太
でも、そういう立ち位置にはいたいですよね。

緒方龍一
そうだよね。嫉妬されるって名誉あることだし。

千葉涼平
結構やりたくても色んな事情でやれない人もいっぱい居るじゃないですか、メジャーシーンって。そういう人たちに入りたいって思ってもらえるようなのはいいですよね。

-確かに格好いいって言われるよりも入りたいって言われるほうが1番の褒め言葉かもしれませんね。

緒方龍一
魂を捧げるわけだからね。

千葉涼平
確かに(笑)。

緒方龍一
麦わらの海賊団みたいなことでしょ?仲間に入りたいって。

-そうなると色々と生演奏コラボしたり?

橘慶太
そうですね。この前のツアーは全公演生バンドだったし。この『In Love With the Music』もツアーで聴くのとCDで聴くのはまた違うと思います。今のところホーンセクションを入れる予定なんですけど…。

-w-inds.の曲で生演奏が付いたら格好いいですよね。

橘慶太
いやーしかも、みんな上手いんで。これまたびっくりするくらい。

緒方龍一
相性もいいしね、おっさん同士。14年間もついてくれてるんで(笑)。

橘慶太
やっぱりおっさんになるとファンクとか得意になるんですね。水を得た魚ってこういうことを言うんだなって(笑)。

-演奏しているミュージシャンも気持ちいいですもんね。

橘慶太
ライブならではのアレンジとかも加えてやってるんで、気持ちいいと思いますよ。

-アジアに行くとファンの方からの反応ってどうなんですか?

橘慶太
もう熱量が凄いですよね。パワフルです。

緒方龍一
単純に察しと思いやりの日本の文化とは違うなってつくづく思いますね。もう「私の感情はこうです」って表現してくれるんで。とくにブレイクダンスとかは、見た瞬間に心が高揚する瞬間があって。気持ちが上がったのを伝えてくる感じがやってるこっちとしてもテンション上がりますね。本当に掛け合いというか、自分たちがパフォーマンスした後のみんなの目の色が変わった時とか気持ちいいです。

千葉涼平
欲しいリアクションがそのままダイレクトにくるっていうのは、もちろん日本のお客さんも素敵ですけど、分かりやすいです。僕らとしてもいいものを届けてその反応がその場で帰ってきたら、終わってから「あ、よかった」って感じよりは、ライブがよくなっていくと思うんです。それが海外でライブやってると感じるというか。本当に求められているのをダイレクトに感じるというか。慶太のヴォーカルでもたまに聴いたことがない声援がくるよね。

-聴いたことがない声援?

緒方龍一
いやもう慶太のソウルフルな歌い方に対して、オーディエンスの空気がブルブル震えてるのを感じますもん(笑)。

-慶太さんの熱に対して返してくれるんですか?

橘慶太
そうですね。

緒方龍一
でも日本もね、SOUL POWER SUMMIT 2013でやった時とか凄かったよね。幅広い年代のお客さんが聴いてくれていて、慶太がEric Benetの『Sometimes I Cry』をカバーして。僕は見に行けてないんですけど、その時の反応が客席から「イエ―!」みたいな反応があったみたいで。おじ様方を胸熱にさせたみたいです(笑)。

-年配の方が聴いても感じる?

緒方龍一
今回のアルバム『Blue Blood』は特に懐かしさを感じてもらえるような楽曲。今回のシングルっていうのは僕ら的には序曲的に聴いて欲しくて。その延長線上にある『Blue Blood』のルーツミュージックを意識して取り入れた楽曲もあったりして。本当、80年代のドストレートなR&Bからインスパイアを受けた曲もあったりして、そういう意味では懐かしさを感じてもらえる曲と今のw-inds.が表現したい曲のミクスチャーな音源ができあがってきているので楽しんでもらえると思いますけどね。それが30歳前後の僕達が表現したいという気持ちも感じてもらえたら、一緒にライブも来てもらいたいなって思いますし。同時に若い子にもキャーキャー言われたいなっていう願望も叶う。

橘慶太
おじさんの願望(笑)。

緒方龍一
おじさんの願望もあり(笑)。あと、僕としてはご夫婦で、旦那さんが花束を持ってきてプレゼントできるくらいロマンチックな情景を提供したい。やっぱりコンサート会場って情緒ある場所でもあるし、それくらいクラシカルな気持ちでステージに立ちたいなって僕は思います。40年代のダンスホールというかフルバンドで音楽を聴く場所はみんなスーツを着て踊りにきていたんだと思うし。そういう背景をちゃんと僕たちが知ったうえでステージに立ってみたいなって思うんですけど。

-今のJ-POPの中で、かなり冒険ですね。

橘慶太
ぶっちゃけ、僕は遅いって思ってるくらいで実際のところはギリギリやれたなーって。本当はファンクをずっと、自分がソロをやってる3年前くらいからやりたいって言ってて。その時は流石に否定されましたね、ちょっと早すぎんだろって(笑)。

-慶太さん的には満を持して?

橘慶太
そうですね。ずっとやりたいって言ってたら『Get Lucky』が出てきたんで、ほら言ったー!みたいな感じで(笑)。でも、めちゃくちゃ格好いんであれは。だからもうそれが嫉妬ですよね。 (笑)。しかもDaft Punkがやるっていうのがね。

緒方龍一
そっちやるのかって(笑)。嫉妬しかないよね。

橘慶太
僕の母親がDJだったんで、そういうソウルファンクが僕のルーツだったんです。ずっとアース(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)とかを聴かされて、好きだったんで。ディスコとか。ルーツがそこにあったんでずっとやりたいなって思ってて。

緒方龍一
慶太のお母さんが当時一緒に住んでる頃に、レコードを7~8枚くれたことがあって。最近ようやくレコードプレーヤーを買い直して聴いてるんですけど、なんかいいんですよね。レコードの味といい慶太くんのお母さんのセンスというか。

-そう考えるとアルバムは夏発売ですが、相当ヤバい作品ができますね。

橘慶太
いや本当にたくさんの人に聴いてもらえたらいいなっていう。あと、2年連続でアルバムを出したんでそろそろ休みたいっすね(笑)。

緒方龍一
そろそろ慶太さんのソロもやりたいですよね(笑)。

-みなさんソロ活動も盛んですもんね。

緒方龍一
本当に成長した面を感じるので、技術的な面だけじゃなく、思想というか精神的な面に関しても。それぞれの成長と言うか、短い期間でもそれを感じましたからね。

橘慶太
普通やらしてもらえない環境の方が多いと思うんですよ。でも、僕らには「やろう」って言ってくれるスタッフさんだったりファンの皆さんがいて…感謝しかないですね。

緒方龍一
ファンの皆さんは僕たちが音楽性を変えた時代も常に率先して応援し続けてくれて。それでも期待を込めて応援し続けてくれたファンがいたからこそ、今また輝けるチャンスをくれてるなって。それに恩返しできればって思ってます。

橘慶太
他のミュージシャンにも、やりたい音楽をやりたい環境で出来るようにしてあげたいですね。我慢して僕はこういうことをやってるんです、って人がいたら僕は1人の音楽家として嫌です。やりたいことをやらせてあげたいなって気持ちがあるんで、同じようなジャンルが好きだったり影響を受けたアーティストが一緒だったりする人たちに道を切り開いてあげたいなっていうのはあります。

緒方龍一
ただ、かかってこいと。

橘慶太
俺らの方がまだ上だけどねって(笑)。

-w-inds.が実験的な活動で売れて結果を出せば、道ができる。

緒方龍一
本当に楽しみですね。僕らもつねに新しい音楽を欲してるし、新しい革命的なパフォーマンスも持ってますからね。僕たちだけの力では到底成し得なかったなって思いますけど、道を切り開ける限り進んでいきたいなって思います。

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